外陰部のかゆみやできもの

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外陰部のかゆみ・できもの
(しこり)がある・痛みがある

外陰部のかゆみ・できもの(しこり)がある・痛みがある細菌やウイルスなどによって感染を起こしている可能性があります。
外陰部にかゆみがある、できもの(しこり)がある、痛みがあるなどの症状は、お薬で治癒する可能性があります。
当院では女性医師が診察いたしますので、安心してご相談ください。

外陰部のかゆみやできもので考えられる病気

外陰部にかゆみがある場合は、細菌の感染症や性感染症、アレルギーなどが考えられます。
できものができた場合は、病気の可能性がありますので受診をおすすめします。
また性感染症の場合は、パートナーも感染している可能性がありますので、ご自身だけでなくパートナーにも受診をすすめましょう。
ここでは外陰部のできもので考えられる病気を、詳しくご説明いたします。

腟カンジダ症

カンジダは腟内の常在菌の一種です。そして、腟カンジダ症はそのカンジダ菌が異常増殖して起こる腟炎です。
通常であれば、腟はカンジダ菌が繁殖しにくい環境になっています。
しかし、免疫力の低下や高温多湿な環境などで、カンジダ菌が異常増殖し、腟カンジダ症を発症してしまいます。
症状としては、外陰部に酒粕状の白いおりものが付着し、激しい痒みが出ます。時に痛みや灼熱感を感じることもあります。
治療は、カンジダ専用の腟剤や塗り薬で行います。数日程度でかゆみは改善し1週間程度で治癒しますが、再発しやすいので注意しましょう。

性感染症

性感染症(STI)とは、性行為によって感染する病気の総称です。
細菌やウイルスなどが、キスやオーラルセックスなどの行為によって口腔や性器、泌尿器などに接触することで感染します。
感染したからといってすべての人にわかりやすい症状が出るというわけではありません。
感染しても気づかないこともあり、気づかないうちにパートナーにうつしてしまうこともあります。
性感染症は将来の不妊に繋がる可能性があります。少しでも異変を感じたらお早めにご相談ください。

腟トリコモナス症

肉眼では見えないくらい小さい原虫であるトリコモナスが性器内に入り込み炎症を起こします。
主な感染は性行為ですが、感染源が原虫ということもあり、タオルや下着、浴槽での感染の可能性があります。
症状としては、おりものが泡状や黄色になる、悪臭をともなうおりものの増加、外陰部の激しいかゆみなどがあります。
放置すると、炎症が卵管にまで広がり、不妊症のリスクが生じるため、早期に受診しましょう。
治療は、腟剤や内服薬で行います。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスというウイルスの感染によって起こる性感染症です。
主な感染経路は性行為です。ウイルスが付着したタオルや便座などへの接触で感染することもあります。
症状としては、初発症状は発熱、頭痛、排尿時痛、外陰部やその周囲の激しい痛み、外陰部の水ぶくれ、太ももや足の付け根などへの神経痛、太ももの付け根のリンパの腫れなどを伴います。
一度ウイルスに感染してしまうとウイルスが体内(神経)に潜んで、免疫力が落ちたときに再発します。再発の場合は、一般的に初発よりも症状は軽くなります。
治療は抗ウイルス薬の内服や塗布薬で行います。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚や粘膜表面に感染して起こる性感染症です。
主に性行為によって感染します。
症状としては、腟の入口や肛門付近などに、イボのようなものが生じます。
治療は外用薬を使用し、改善しない場合は外科的な治療も検討します。

梅毒

梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。
感染後数週間で、口の中・肛門・外陰部にしこりや潰瘍ができることがあります。また太ももの付け根のリンパ節が腫れることもあります。
感染から3ヶ月程度経過すると、全身に発疹ができます。また、妊娠している方が感染すると胎盤を通して胎児に感染し死産・早産など起こったりすることがあります。
抗菌薬内服にて治療を行います。

毛嚢炎・毛包炎

外陰部の毛包(毛穴の奥の毛根を包んでいる部分)に細菌が感染し、炎症を起こしている状態です。
毛包部にできた小さな傷から細菌が入り込むことが原因です。
毛穴が赤く盛り上がった発疹(丘疹)や周囲が赤く膿が溜まった発疹(膿疱)となることもあります。
症状としては軽い痛みが現れ、悪化すると、はっきりした痛みや圧痛、熱感を伴います。
治療は抗生剤を使用します。

バルトリン腺のう胞・バルトリン腺炎

バリトンセン腺は腟の入口にあり、粘液を分泌しています。そのバリトン腺の開口部が細菌に感染し、炎症を起こしている状態をバリトン腺炎といいます。
また、バリトン腺炎が起こると、開口部が詰まり分泌物をスムーズに排出できなくなります。その結果、内部に液体が溜まり、のう胞となった状態をバリトン腺のう胞と言います。
症状としてはバルトリン腺の腫れや疼くような痛み、発熱などが見られます。
治療は軽症であれば、抗生剤のみを使用します。
膿が溜まって痛みが激しい場合は、切開・吸引によって膿を取り除き、抗生剤により治療します。

尿道カルンケル

乳頭状の良性のできものが尿道の出口にできる病気です。
症状としては、何もないことも多く、尿道の出口の痒み・痛みやできものからの出血などの症状がみられることもあります。
特に更年期以上の女性に多くみられます。
原因ははっきりしていませんが、炎症を繰り返すことが関係しているのではないかと言われています。
治療は軟膏を使用し、改善しない場合には、外科的な治療を検討します。

外陰炎

外陰部で炎症が起こり、赤み、腫れ、かゆみ、ヒリヒリ感などの症状を伴います。
外陰部は、もともと細菌・ウイルスに対して比較的高い抵抗力を持ちますが、小さな傷や湿疹があるとき、糖尿病などの持病がある場合には、感染が起こりやすくなります。
また、外陰炎はしばしば膣炎を伴いますので、あわせて検査が必要です。
外陰炎の治療では、原因に応じて薬物療法・生活習慣指導を行います。
適切な治療を行えば、多くは1週間以内に改善します。

閉経関連泌尿器症候群(GSM)

平均して50歳頃に訪れる閉経の前後に、陰部を中心に現れるさまざまな症状の総称を閉経関連泌尿器症候群と呼びます。2014年にアメリカの学会が提唱を開始した比較的新しい概念であり、それ以前は「年齢のせい」と片付けられてきた背景があります。
主に膣症状、性機能症状、排尿症状が見られ、お一人でお悩みになっている方が少なくありません。歳だから仕方ない…と放置せずに、お困りの方はお気軽に当院にご相談ください。
閉経関連泌尿器症候群の治療は、薬物を使用する対症療法やホルモン補充療法など様々な角度からのアプローチが必要です。

受診の目安は?
我慢せずにご相談ください

我慢せずにご相談くださいここまで、外陰部でかゆみやできものが生じる場合、どのような病気が考えられるのかご説明いたしましたが、どのような時に受診をすればよいのか悩まれる方も多いと思います。
以下では、女性器周辺や外陰部の症状別に受診の目安をお伝えします。

女性器周辺や外陰部の
「かゆみ」による受診の目安

  • かゆみ以外に悪臭、できもの、おりものの量の増加や色の異常が出てきた時
  • 生活するのに困難な「かゆみ」がある時
  • パートナーが性感染症の可能性がある時

女性器周辺や外陰部の
「できもの」による受診の目安

  • できものがいぼ状の時
  • 痛みがあるとき
  • 時間経過とともに大きくなっている場合

女性器周辺や外陰部の
「腫れ」による受診の目安

  • 時間とともに腫れがひどくなり、1〜2日で収まらないとき
  • 強い痛みを伴うとき

女性器周辺や外陰部の
「痛み」による受診の目安

  • 痛みを感じだしたとき
  • 性交渉後からの痛みの場合は、収まることなく1〜2日以上続く場合

上記はあくまで目安です。
放置してしまうと、病状の悪化やパートナーへの感染、最悪の場合、重症化して不妊の原因となる病気もあります。早めの受診を心がけましょう。

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